佐藤義典氏が書いた『新人OLつぶれかけの会社をまかされる』を読みました。
本書は転職者として中堅の商社に転職した、売多真子が会社が運営する
赤字のイタリアンレストランの再建に挑むストーリーと共に、マーケティングの
知識の解説がついたものとなっております。
小説の設定ではありますが、イタリアンレストランを例にとり、具体的にマーケティングの
知識を使うとどう考えるべきか、という風な構成となっています。
マーケティング初学者や実務での経験が少ないかたにも分かりやすいはずです。
特にセグメンテーションとターゲティングに関しての解説は私も今までになかった
考え方・視点を学べ、即実践で活用しようと思っています。
◆意外に業種に長くいると儲からない落とし穴にはまってしまっている。
本書曰く、「どんな業種も戦略的には3パターンしかない」のだそうです。
・商品性
・密着性
・手軽性
この3つのいずれに特化するかによって競合差別化が実現するのですが、
重要なのはお客様の視点で見る事です。
長く売り手側の立場でいるとこの3点について”売り手思考”でしか考えられなく
なってしまうそうです。あくまで商品を買うのはお客様なのでお客様視点で
考える事が重要です。
◆セグメンテーションとターゲティングとは
平たく言うとセグメンテーションとターゲティングとはそのサービス・モノを欲しがっているお客様は
どんな人なのかを想像する事です。年齢・性別・住んでいる地域などが一般的にはセグメンテーションの
項目となります。
まずは商品が持つ特性と強みを考えます。
○スバルのスポーツカーの特性・強み(商品)
・デザイン性に優れている
・世界のレースに参加している
・加速性能が高い
○スポーツカーを手に入れるとどんな価値がある?(ベネフィット)
・スポーツカー好きという自分を表現・主張できる
・レースに出ているのと同じクルマを自分が運転できる
・女の子にモテる
○では例えば、スバルのスポーツカーを欲しがる人はどんな人か。(顧客ニーズとターゲット)
・レースファンの20代、男性
・モテたく、自己顕示欲が強い、20代、男性
・クルマ好きで特にデザインにこだわる、20代男性
・子供が独立しお金と時間に余裕があり、クルマが好きな50代男性。
例えばこんな感じです。
このように『商品』、『ベネフィット(価値)』、『ニーズ』が交差する点で考えていくと、
自然とセグメンテーションとターゲティングができるのです。
本書内ではイタリアンレストランで主人公が3日間、どんなお客様が来ているのかをウォッチし、
アンケートで本音を聞いて、セグメンテーションを試みます。
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