新規のお客さまとリピート・継続のお客さまの売上に占める比率はどうあるべきでしょうか。
あくまで一般論ですが売上比率は、新規:既存の割合は3:7~2:8が理想とされます。イギリスの経済学者パレートは「パレートの法則」で20%の顧客が80%の利益を生み出すと主張しました。
新規には販管コストがかかるので既存の継続の方が粗利率が高いです。
既存の顧客が離ず、そこからの収益率が80%を占める事業は理想的と言えるわけですね。
では、顧客が離れない状況。つまり、顧客を満足させる為にはどのような施策を取ればいいのでしょうか。
お客さまの為に!~顧客満足度とは?~
まず、顧客満足(CS)を定義します。顧客満足とはお客さまが望んだ価値を商品・サービスが満たしている状態です。
よく、競合と比較して自社の顧客満足度は、と考えられる経営者の方がいますが、顧客満足では競合との比較をする必要はありません。自社の商品・サービスに顧客が満足してくれていれば、それで合格です。お客さまと自社の相対関係で考えます。
では、お客さまが何に満足しているのかはどうすればわかるでしょうか。
いくつか手段がありますが、コストをかけずに手っとり早く調査する方法は顧客アンケートです。アンケートには営業が直接インタビューするもの、店舗に紙で置く、メルマガで聞くなどの方法がありますが、もっともコストをかけずに効率良く回収するのには、webアンケートがおすすめです。私自身、アパレルの事業で購入者の方向けにwebアンケートを実施しています。有効回答率は58%で意外にインターネットユーザはしっかり書いてくれます。
ある企業のCS本部長と話した際にwebアンケートについて聞いたのですが、その企業のwebアンケートの有効回答率は90%だったそうです。会員制システムを導入して、顧客とのコミュニケーションを密に取った事が回答率を上げたと考えられます。
webアンケートはGoogleドライブを活用すれば、無料でアンケートフォームの作成が可能です。前述の記事で詳しいアンケート作成方法を説明しております。
これだけは聞いて! 「なぜ、当社を選んでくれたのですか?」
極論的に申しますと、上記の質問だけ行っても価値のある結果を得られるでしょう。
お客さまがなぜ、競合ではなく自分の商品・サービスを選んでくれたのか?これは言いかえれば、「顧客は当社にどんな価値を期待しているのか?」という事になります。
繰り返しますが、顧客満足とは顧客満足とはお客さまが望んだ価値を商品・サービスが満たしている状態です。この水準を満たせば顧客満足の状態です。
なので、「顧客は当社にどんな価値を期待しているのか?」を把握することができれば、あとはそれを一定水準どおり提供していく事で顧客満足達成となります。
「そんな事はとっくに知っている!」
そう思う方も少なくないでしょう。しかし、こんな事例がありました。
ある小学校低学年向けの塾での顧客満足度調査==========================
ある経営コンサルタントの知人から聞いた実例です。
彼は当時、小学校低学年の児童を対象とした学習塾の顧客満足度調査に取り組んでいました。塾の売りというのは大抵決まっているものです。
・合格実績があります!
・質の高いオリジナルテキストを使用しています!
・講師が違います!
大抵の学習塾は上記、3大訴求で広告展開をしています。顧客(児童の保護者)が望む事項はこの3点の価値だと決めていたのです。
しかし、実際のアンケート結果はこうでした。
・自宅から近いから 51%
・駐車場があるから 20%
・児童の友達が通っているから 18%
・その他 11%
実は保護者が望んでいた価値は”児童の学力を高める事”ではなく”安心して児童を通わせられる塾”だったのです。
それからその塾は近所の世帯へのプロモーションを強化して売り上げを上げました。
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この様に売り手と買い手でイメージしている商品・サービスの価値は異なる場合があります。是非、一度、お客さまが望んでいる価値を確認してみてはいかがでしょうか?
価値に差異があった場合は、広告展開や営業手法を再度見直す必要があります。
≪顧客満足度アンケートの3ポイント≫
アンケート調査には3つのポイントがあります。
1.アンケートの目的を明確にする
今回はどこの顧客満足度を調査するかを明確にします。商品・サービス自体なのか、営業の対応なのか、アフターサービスなのか。目的を明確化する事で質問が具体的になります。
2.アンケート項目は少ない方が良い
私は以前、あるショッピングセンターのアンケートに回答したのですが、30項目以上ある長ーーーーい、アンケートでうんざりした事があります。同じような経験をした事がある方は少なくないと思います。アンケートをする際には項目をより少なくが鉄則です。お客さまによってはアンケートが長すぎると途中でアンケートを放棄してしまう方もいらっしゃいます。それでは本末転倒ですね。お客さまがうんざりしない程度、5~10項目くらいがベストでしょう。
1.で説明したとおり目的が定まっていると、少なくし易いです。
3.お客さまへきちんとフィードバックしよう
お客さまにはアンケートにせっかく答えてもらっているのに、何もフィードバックが無いのはお客さまに失礼です。アンケートを基に改善した事項などがあった場合は店頭・webでアンケート結果からの改善項目などという内容でフィードバックをしましょう。フィードバックする事でお客さまはその会社の事を顧客理解のある会社と思ってくれ、次回以降アンケートを
実施する際の回答率と質に影響します。
以上、顧客満足についてのコツでした。